建築雑誌整理~日経アーキテクチャーは継続購読40年
40年前、当時の建築専門雑誌と言えば、彰国社の日本海外を問わない建築家や建築情報にスポットを当て特集を組んだ建築文化、有名建築の詳細・納まりを解説しながら紐解くDETAILは広告も少なくかさばらずに良かった。後年、DETAIL JAPANを刊行したが、2年ほどで廃刊となってたのは残念だった。新建築社の新建築、商店建築は非常に見易く取っ付きやすかったが、やたら広告が多く書棚が直ぐに一杯になった。その分若干お手頃価格だった様に思う。a+u(エーアンドユー)は掲載される海外の作品が斬新で眩しかったが、当時の日本での現実感に疑問を感じた。~数年経過して、誰かが似たような作品を発表・・・どこかで見たなと思うくらい、日本人のデザイン感性は遅れているとまざまざに感じる雑誌だった。その後、新建築社では、住宅特集、JAが刊行された。GA、GA HOUSE&DOCUMENTは、内容が全て英語だったが、写真を眺めるだけで楽しかった。その後GA JAPANNが刊行された。そして建築知識、建築の知識にまだまだ疎かった私にとっては、建築の実務書として非常に役に立ち活用させて頂いた。建築知識社は後年、XKnowlege社に社名変更して、ハウスビルダーのトレンドに特化した建築知識ビルダーズを刊行した。最後に後発にはなるが、建築資料研究社の他の建築雑誌とは趣を変え、素材やインテリアに特化したCONFORT、和風建築に特化した住宅建築も面白かった。
20代の頃は、建築雑誌は建築を志す上で、ある意味宝物のような存在で、個人で建築文化とa+uは定期購読。30代の事務所開設当時は大分の専門書を扱う唯一の書店だった晃星堂さんに定期購読で毎月数冊届けて頂き、若い所員等にも、1冊は自らの定期購読を勧めていた。西暦2000年を超え子供の頃から憧れを感じていた21世紀を迎えた。雑誌で発表される建築家の作品は、こぞって方向を失ったように温熱環境無視のガラス張り、特定のクライアントだけを対象にした奇抜な形態・色の作品が増え続け、ちょっと飽き飽きした気分で建築専門雑誌定期購読も減ってきた。勿論、中には興味引く素晴らしい作品も有ったが、割合はかなり減少したように感じた。2010年頃にはデジタル文化もかなり普及してきて、情報はインターネットで得る時代になり、近年ではマガジンハウス社のCASA BRUTUSが建築単独ではなく多方向から趣向を凝らした特集を組み、本屋で見かけたときに購入している。
そんな中、私の中で唯一生き残ったのが「日経アーキテクチャー」である。定期購読40年。さすがに新聞社系統の専門雑誌だけ有り、その編集方向も時代に起きた事件、応じた情報をタイムリーにいち早く掲載し、決まった一方向からの情報だけではなく、多岐に及ぶ情報源からの解説姿勢は、未だ変わらない。以前からから継続している定番記事及び年に数回の各種特集も健在である。ただ、定期購読料もこの数年で急に値上がって以前の倍の728円/冊。定期購読者専用のデジタルウェブサイトもケンプラッツ→日経アーキテクチャーWEB→日経クロステックに変更され、これも以前の倍以上の1,250円/月と高くなった。その分、付加価値として日経PB社定期購読以外の他紙記事閲覧権を紐付けているが、必要ないものは必要ない。日経PB社も苦渋の策、新聞同様、紙媒体からの読者離れ、時代の流からやむを得ないのでしょうね。
世帯を構え、毎朝、慣れ親しんできた「大分合同新聞」も、2020年(昨年)、夕刊が廃刊になった事を機に、購読中止した。当初は多少手持ち無沙汰と不自由を感じたが、1ヶ月も経てば欲しい情報も朝の情報番組とネットで充分と言う事を実感した。事務所の棚も写真の通り、バックナンバーもほとんど読むこともなく色あせ飾っているだけの状態である。カタログやサンプル見本は昨年、コロナ発生時に時間を取り、一気に半分以上整理できてすっきりしている。設計資料や図面も、写真同様、Faxやコピーも含め十数年前から必要最小限に紙媒体出力は避け、デジタル化して外付けハードディスクに見易く整理している。10年以上経過したファイル綴じ設計資料やフロッピーディスクは処分しても良いのだろうが、改修や補修等、リピーターのクライアントが居るので、今のところそのままにしている。近い将来、寂しさも一抹残るが、これら雑誌と共に、一気に断捨離する日近いことを感じている。「日経アーキテクチャー」も次回更新時は、2,500円/月の日経クロステック単独契約変更する事も視野に入れている。